今から11年前、私が副理事長に就任した年、伊香保で開催された営業指導センターの懇親会に参加した。当時のセンターの理事長が飲食組合の加藤理事長(次の理事長は松本一郎氏)でした。世界中がリーマンショックの影響を受けている最中、この懇親会の冒頭で「難しい時に、難しい顔をして、難しい事を考えても、事は難しくなるばかりです」と挨拶なされました。
高圧的な物言いではなく、温和な紳士で人懐こい話し方をする人でした。
「先程のお話ですが、とても印象的でした」
「物事とはそんなものではないでしょうか。固く考えた事は面白くありません。緩みがあるから楽しいんじゃないんでしょうか」
難しい問題から逃げている訳ではない。問題の大きさを測量で測ったように正確に把握した上で、それより一回り大きな器の中で絡んだ糸をほぐしていく。そんな風に感じ取れた。
そして今。まさに「難しい時」となった。どれだけの緩みが持てて、この組合にどれだけの楽しみを与えられるのだろう。