新聞のお悔やみ欄に顧客の名前が掲載されると、「二度とお見えにならないなあ」と悲しみと共に今までの感謝の気持ちがこみ上げる。
しばらく見えなかった顧客にスーパーでばったり会った。帽子を取って坊主頭が伸びた姿を見せてくれた。癌の手術も無事に成功し退院したそうだ。髪が伸びたら来店すると、にこやかに話してくれた。苦しいかったであろう闘病生活を終え、次の来店が楽しみである。
いつもショートスタイルの顧客が肩まで髪を伸ばして半年ぶりに来店した。「外出自粛で人に会わないから」と。お互いに顔を見合わせて、安堵の表情で大きく笑いあった。
毎月介護施設にカットに出かけているが、新規の入所者さんの中にかつて来店してくれていた顧客の顔があった。複雑な心境だが、一時見えなかった顔を、毎月見られるようになった事が、奇跡の出会いのように感じてしまった。(笑)