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町田

Vol.5 292号【悪い癖】

 選挙投票者年齢が十八歳へ引き下げられ、選挙参加を促す高校の授業がテレビで放映された。当初は「投票に行く意味が分からない。投票しても何も変わらない。誰かがやればいい。候補者が誰だか分からない。」と、投票に行くどころか、関心さえなかった。社会科の先生が、政治というのは、遠い所にあるものではなく、身近な生活に直結しているもので、勿論学生にも大きな影響を及ぼしている事を一年間かけて授業の中で丁寧に教えてきた。そして、誰一人投票に行く意思のなかった生徒だが、約八割の生徒が自分の意志で投票に行く結果となった。




 そしてここから。

色々な出来事を全て美容組合のフィルターを通して見てしまう「悪い癖」が、頭の中を駆け巡る。「非組合店の経営者に対して、授業を受けなければならない生徒のように、丁寧に説明できる機会があれば、組合加入促進が可能なのに」「政治に無関心な生徒を、投票に行かせるまでにした先生の熱心さは大事だな」「政治が身近なものだと生徒に感じさせたように、美容業界には組合が必要な事を、どうやったら非組合員に理解してもられるのか」と、組合主体視線の悪い癖が身についてしまった。

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